椵21回【松下幸之助さんに学ぶ】
?21回【松下幸之助さんに学ぶ】
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【明らかにその人は、社長としての適性をもっていなかった】
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和38年(1963)2月26日、郵政省 近畿管内長期訓練生研修回(68歳時)
『これは現実の話ですが、 だいぶ以前のことでありましたけれども、ぼくの知っている人に、ある会社の中堅幹部の人がありました。
その人が望まれて、ある会社の社長になったわけです。
そのときにその人は、実は今度こういう会社から社長になってくれんかと言うてきているのだが、
と友人に相談した。
友人は「そうか、おまえは社長になるのか。
それはいいなあ。
わしも肩身が広い。やれやれ」
と、こう勧める。
それで本人も、これは社長になったらいいと思って、大いに勇躍、赴任したわけです。
ところが一年、二年すると、その会社がだんだんとうまくいかんようになってきた。
そうして社長の責任を問われるというような空気が起こってきて、
これはやはり辞職せないかんというので、その人は辞職したんです。
これは完全な失敗である。
社長になった当時は、その人も成功だと思った。
友人も「あいつ成功しよった。自分の友人が社長になりよったんやから、おれも肩身が広い」
と言うて、祝杯をあげてくれた。
それがわずか二年ほどにして、その社長の地位を降りなくてはならんというような状態にまでその会社が行きづまってきた。
社長の責任を問われるようになってきた。
これはなぜかというと、
明らかにその人は社長としての適性をもっていなかった。
社長になったことは失敗であったわけです。
そうですから、その人はやはり、以前の会社の中堅幹部として終始したほうが幸せであり、
また世のためであったのです。
けれども、そのときはそう思わなかった。
社長は十分にできると言うて、非常な成功を夢みて赴任した。
ほかに相談しても、友人もみな勧めてくれた。
こういう一つの実例があるんです。
このときに、そういうように勧めてくれても、おれは今の仕事に向いているんだ。
社長は世間的にはいいかもしれない。
あるいは収入もいいかもしれない。
しかし社長には社長の責任がある。
その責任を果たせるかどうかについては、
自分の適性かま合うかどうかということである、
というような考えがもしその人にあったならば、その失敗はなかったと思います。
ところがその人は、そこまで自己というものを考えなかった。
だから喜び勇んで行ったところが、
結果は失敗であったということです。
こういう実例は世間に非常に多いのではないかと思います。
ですから、自分の個性、特色、特性というもの、
適性というものを、どういうようにして認識することができるかということですな。
これは私は大事やと思うんです。 』
その自己認識ということが、個人が世の中に立つていく上において、いちばん大事なことだと思うんです。
と、松下幸之助さんです。
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幸之助さんは、甘いだけの方ではなく、かなり厳しい経営者であることが推察できます。
?
幸之助さんが、指導者としての使命については、
人の上に立つ者が果たすべき責任あることを訴えていることです。
ブレイクスルー思考法の仮説活用に学ぶ、愛し、使命を果たすことを、俳優レッスンに何度話してきました。
俳優にも、幸之助さんの 発言は、共有できるところであろうと思います。
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経営者の道を極めた幸之助さんだからこそ、指導者になるほどの天命を持つ者には、
よほどの自覚と努力が必要であることを、しないでいられなかったのでしょう。
さらに、
幸之助さんは、職業はお金を稼ぐためにやるものではない。ということにも繋がるのでは、スーパーエネルギーマネジャー高峰は思うのです。
〓?
職業というものは、社会に提供する機能のことです。だから、女優さんが、芝居を提供した機能がお金になる場合もあるし、ならない場合もある。
資本主義の世界では、社会になんらかの有意義な機能を提供すると、付加価値が生まれお金が入ってくることが多いのです。
女優さんが付加価値の対価の提供しての芝居しても、お金が入ってこない場合もある。
それでも、職業である。映画上映されるたりする。
だから、
職業の定義は、社会に対する機能であるわけだから、お金が稼ぐことができるかどうかはまったく関係ないのです。
お金を稼ぐのは、ファイナンス活動と呼ばれているものです。
職業とイコールではない。
社員が悪いのではなく、経営者には経営者の責任があるということ、働きやすい環境にある職業としての提供が必要があるということでしょう。
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人がよいだけでは、経営できなくなっていると言えるでしょう。
現場を熟知している人が社長をする時代であり、知識量が豊富な人がリーダーでないと競争には勝ち抜けない。
2015年のように思われるのである。
ありがとうございます。
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